『三姉妹探偵団』

三姉妹探偵団 (講談社文庫)
西村京太郎先生を読んだ*1ら、成り行き上、赤川次郎先生の作品も読まざるを得んでしょう。ということで、『三姉妹探偵団』。なんと現在もシリーズ18作目まで続いているそうです。
これも小学生のころ読んだけど、久々に読むとサラーっとしてますね。あっという間に読んじゃった。そういう意味では小学生向きだったのかも。クライマックスがラブホテルでの捕り物帳なのですが、そこはご愛嬌で*2


おっとりした大学生の長女・綾子、しっかりものの高校生の次女・夕里子、おてんばな中学生の三女・珠美。母を亡くし父と4人で暮らしている三姉妹が、父の出張中に不審火で家を焼け出されてしまう。しかも、焼け跡からは見知らぬ女性の遺体が発見される。
父にかかった殺人容疑を晴らすため、三姉妹はそれぞれの力を合わせて事件解決を目指す。


発表されたのが昭和57年、文庫版の初版が昭和60年。奇しくも西村京太郎の『寝台特急殺人事件』の出版も昭和59年。「グリコ・森永事件」が起きたのも昭和59年から同60年にかけて。このころって、探偵・推理の時代だったんですね。
そんな時代を反映した本作品も、いま読むと「探偵団」という言葉とか、三姉妹がハチャメチャをやって事件解決…というコンセプトそのものも含めて、やはり若干古さを感じてしまうのは、仕方がないか。
事件解決までの推理を楽しむというよりは、このシリーズは少女ヒロインが活躍するサスペンス…と位置づけたほうがよいかも。論理よりドキドキハラハラ優先主義。

*1:11月18日の日記参照

*2:この本で、ラブホテルのお風呂に仕掛けられた「ハーフミラー」なる構造を初めて知った少年時代の私…。