『極道の妻たち』

極道の妻たち (文春文庫)
昭和60年に勃発した山口組と一和会の抗争。その報道を見た筆者の家田荘子さんが、「“銃後”の妻たちはどんな顔をしているのだろう」と疑問に思ったことから、長期間にわたり取材・インタビューを重ねて週刊文春に連載したルポルタージュ
同名タイトルの映画は、この作品を下敷きにして作っているようですが、完全にフィクションだから、まあほとんど関係ないですね。


「好き好んで“稼業”の妻になったわけではない、愛した夫が極道だった、ただそれだけのこと」──作中に出てくる皆さんが、異口同音にもらす言葉です。業というか宿縁というか…。
福岡の有名な博徒一家に生まれ、17歳から賭場に出ていたという生粋の姐さんもいれば、堅気の男と結婚したものの旦那がシャブ中になり、ソープで働いて借金を返し、いつしか極道の妻になった姐さんもいて、千差万別。
当たり前ですが、女の数だけ男との出会いがあるんですね。で、相手が極道だっただけ。