読書人

世の中には「読書人」(インテリと言い換えてもいいが)という層の人がいて、この人たちや作家がおおむね共通のバックグラウンドとして持っている「教養」(暗黙の了解)というものがあるのだと思う。
かつてはこの「読書人」を対象に作家が本を作り、「読書人」がその本を買って読んで、互いの「教養」を基にあーだこーだ言い合ってたのだろう。きっと『百年の誤読』を読んでヒヤヒヤ笑っている私自身も、その末端に足を引っ掛けてるのだと思う*1
ところが最近では本も簡単に手に入るようになり、マスコミの宣伝もすごいので、「教養」を持っていない人が気軽に本を手にするようになってきた。そうなると作家にも「教養」が必ずしも要求されなくなり、その結果どんどん旧「読書人」が満足できないような、暗黙の了解を外れた「バカ」な本が売れるようになる。


その意味で言うなら、ここにきてこれだけWebで小説的なコンテンツが誰でも発表できるようになって、さらに「バカ化」(安直化)が進んでいくのだろうな。
というか、そもそもの「ベストセラー」の定義が崩れてくるのか。別に本じゃなくてもいいわけだし。メディアミックス的な売り方もある。

*1:それともあれか、サブカル的に「文学」を愉しんでるだけなのかな?