「事件」/井上陽水

唄・作詞:井上陽水、作曲:小室等。何種類か出ているベストアルバムのうち、「井上陽水1975〜」(asin:B00005GB3E)という7枚組(!)の中にあるのを聴きました。もともとはアルバム「スニーカーダンサー」(asin:B00005J4KS)収録。

事件はみぞれまじりの 寒い日に起きた
行司から勝ち名乗りをうけた力士が
次の土俵に 上がる力士に 力水をつけて
嵐のような拍手を 両脇にして
花道を引き上げようと していたときに
たくさんのお客の手が 力士の背中に触ろうとしてた
その中にカミソリもまじっていたのさ


相撲協会は驚いて 信じられないと言った
ここに来る人たちはみんな 良い人たちのはずだ
何百年も この形式を 守り続けてきたのだ


たくさんのお客の手が 力士の背中に触ろうとしてた
その中にカミソリもまじっていたのさ
みぞれはすでに 雪になり 白い肌のように積もった

これはどうもフィクションのようです。
歌詞自体はギョッとするような内容なのですが、曲はレゲエ調でホンワカしてます。そのギャップが意味深長。
降り積もった雪を「白い肌のように」とたとえていますが、力士の白い肌が不意の悪意で血に染まることもあるように、雪の積もった街にいつ血が流れないとも限らない…そんな感じの冷めた皮肉が感じられます。