『プラトニック・アニマル』

代々木忠・著。幻冬舎アウトロー文庫。 プラトニック・アニマル―SEXの新しい快感基準 (幻冬舎アウトロー文庫)
ブックオフの100円コーナーで発掘。代々木忠監督…私はリアルタイムの世代ではないのだが、黒木香さんが笛を吹く作品とかの方。懐かしい名前。ついつい購入。
本書では、当時「チャネリング・セックス」の提唱者として名を馳せていた代々木氏が、セックスで男も女も本当に気持ちよくなるにはどうすればいいのか? を、氏の経験則をベースに、時に心理学的に、時に哲学的に、様々な角度から論じている。意外と真面目で論理的に。
要諦を述べるならば、「世間体も羞恥心も全てを捨て、互いに完全に信頼しあえる関係作りが肝心」ということだ。言葉責めや目隠しプレイは、そのために有効だという。至極もっともな御説。
後半、ややニューエイジ的な思想披露になってくるきらいはあるのだが。

SEXでオーガズムを体験し、エゴが死んだとき、人は本当の自分になることができる。
(中略)
このような精神的な動物<プラトニック・アニマル>に戻ったとき、私たちはとかく否定的にとらえがちがったものごとさえも肯定的に受けとめられるようになる。なぜなら、制度の世界の価値観や固定観念に縛られ、自分の見栄やプライドを守るために他人を疑ってみる必要などなくなるからだ。
(中略)
真のオーガズムを体験すると、人は変わる。地球上の人々がみんなオーガズムを体験すれば、今より世の中はずいぶん住みやすくなるはずだと、私は真剣に考えている。

それにしてもこの表紙、何とかならぬものか…。まず電車では読めない。