スッポン考

「スッポン(鼈)」って何ですっぽんて言うんだろうと思ってサラリとググってみたのですが、諸説あって本当のところは断定できないみたいですね。以下の2説が有力なようです。

1.生息地である湖沼で、水に飛び込むときの音からついた
2.水の中からにゅっと出没するところから、「出没」が訛ってついた


現在日本ですっぽんを養殖している主な産地は静岡県の浜名湖。すっぽんは水温が15℃以下になると冬眠に入り、その間は成長が止まるため、わざと水を温めて促成養殖したりもしているそうです(それが旨いかどうかは別として)。なので、湯布院なんかでも養殖をしているみたいです。


似て非なるもののたとえとして、「月とすっぽん」という言い回しがありますが、これは満月もすっぽんの甲羅も丸いのに、片や夜空に皓々と輝き、片や池の中を這い回っているところから来ているとか。
また、赤いお盆(朱盆)と満月をたとえて「月と朱盆」と言っていたのが訛ったものとも。


すっぽんが古くから珍重されている例として、「食指が動く」という故事成語のエピソードがあります。

中国の春秋時代の話。鄭(てい)の霊公が、「春秋五覇」の一人である楚の荘王に大きなスッポンを贈られた。霊公はこれを家臣に振舞うことにした。
家臣の一人子宋は、宴席で自分の人差し指(食指)が動いたのを見て、「人差し指が動いたときは必ずご馳走にありつける、今日はきっと旨いものが食べられる」と同僚に言った。これを聞いた霊公はわざと子宋のすっぽんを下げさせた。この恥辱がきっかけとなり、後に子宋は霊公を殺してしまう。

食べ物の恨みは怖い、というお話ですね(てきとー)。