『中国行きのスロウ・ボート』

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)

「あまりにも多くの水が橋の下を流れた、ってね、高校時代の英語の教科書にあったな。覚えてるかい?」

詩人は21で死ぬし、革命家とロックンローラーは24で死ぬ。それさえ過ぎちまえば、当分はなんとかうまくやっていけるだろう、というのが我々の大方の予測だった。

「テレビには少なくともひとつだけ優れた点がある」しばらく考えたあとで彼はそう言った。「好きな時に消せる」

「知らないのかい?」と彼は言った。「シャンパンには用途なんてない。栓を抜くべき時があるだけさ」