「ダークナイト・ライジング」

ダークナイト ライジング Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)
ともに「影」の存在でありながら、光を志向するウェイン(バットマン)と影の中に住み続けるベイン。「Dark Knight」とは悪魔なのか必要悪なのか? 三部作を貫く重厚なテーマは、本作でクライマックスを迎えるのだが、地獄(ピット)に堕ちたウェインが割とすぐに戻ってくるところとか(これってどれくらい時間が経過した設定なのだろう?)、3.11を経験したわれわれにとって、中性子爆弾の扱われ方がぞんざい過ぎるように思えるところとか(核融合炉を積んだトラックを平気で射撃したり)、ディテールがちょっと杜撰なように感じた。


ところで、ダークナイト・ライジングの原題は「The Dark Knight Rises」、つまり動詞である。日本語で発音しにくいから現在分詞にしたのかな? でもこのトリロジーの終わり方を見るにつけ、ここは結構重要な言い回しの違いだと思った。

ヒーローはどこにでもいる。
少年の肩に上着をかけ、「世界は終りではない」と言うような男だ。