新型うつ

NHKスペシャル「職場を襲う“新型うつ”」を見た。

現代型うつは、若者に多いとされ、従来型のうつ病と同様、不眠や気分の落ち込みなどの症状を呈する一方、常にうつ症状に陥っているわけではないのが特徴だ。職場を離れると気分が回復し、趣味や旅行など好きなことには活動的になり、うつになった原因は自分ではなく、職場など他人にあると考える自己中心的な性格がよく見られるという。さらに現代型うつは一見、“怠け”や性格の問題と捉えられることも多く、従来の抗うつ薬が効きにくいとされ、対応が難しいのが現状だ。

職場には行けないけど、普通に遊びには行ける。上司を批判はするけれど、自己変革は試みない。これらの症状を見ている限り、単に怠けている自己チューとどこが違うのか、線引きが難しいところ。
番組で改善策として取り上げられていたように、職場の環境そのものは、コミュニケーションを密にしたりして良くしていけるかもしれないが、でもそれって「古きよ良きムラ社会」への回帰に過ぎないのではないだろうか。そもそも、そういう万人がハッピーだったムラ社会というものが、本当に日本の職場にかつて存在していたのかどうかも疑問だが。
そしてもう一つ思ったのが、国際社会でもそういう忖度を期待するというのだろうか、という疑問。こんな社会状況で、TPPとかエネルギー問題とか領土問題とか、海千山千の国際社会で切り盛りしていけるとは思えない。あるいは、現代型うつに悩む層と、バリバリとグローバル社会で渡り合う層と、二極化が進んでいくのかも。
なんていうか、いろんな意味で日本の行く末が案じられる。