清盛づくし

正月からテレビばかり見ているが、ETV「古典芸能への招待」で厳島観月能「融」も録画で流し見。
平清盛が建立した厳島神社に、毛利元就が造営したという海上の能舞台。文字通り月の下で行われる野外能。水面に反射した光がなんとも幽玄。「融」の見せ場である「汐汲み」の場面が、本当に能舞台の下にたゆたう潮を伴って演じられるのである。これはこの場所ならでは。
しかし視界の狭い能面をつけて、暗い屋外の照明環境のもとで、よくもまあ舞台の端から端までためらいを見せず動き回れるものだと感心した。


ところでこの放送も無論、8日から始まる今年の大河ドラマ平清盛」にちなんだ放送である。
予告編などを見ていると「海賊平家vs馬賊源氏」…という対比で見せるような気がして、それはそれで面白いのだが、平氏だって将門以来関東や九州にいくらも兵馬を抱えていたのだ。
そこよりも、旧勢力=貴族(藤原氏)vs新勢力=源平ら武家、という対比にこそ注目でしょう。オフィシャルサイトで見る藤原氏のキャストが、なんとはなしに悪意を感じるメイク…。