ジャクソン・ポロック

アメリカの抽象画家ジャクソン・ポロックの生涯を追った日曜美術館の再放送を見た。
絵の具をキャンバスに叩きつけてその飛沫で何かを表現する「ポーリング」と呼ばれる技法は、ピカソの超克を目指すなかで生み出されたのだという。当時の美術界において、ピカソの存在がなんと大きかったことか。
そのピカソはアフリカ原住民に、ポロックはネイティブアメリカンのモチーフに、それからついでに岡本太郎は縄文人に、それぞれ近代美術の超克を求めた…というのも面白い。技巧の追求の結果が近代のアートだとしたら、それを脱構築するためにいったん原始に帰らざるを得なかったということか。
ポロックは44歳で亡くなったが、たとえばあと20年生きていたらどんな方向に行っていたのだろうか。ポーリングは進化の結実ではなく途上の技法だと思う。番組によると、ポーリングはどんどん「水墨画的」になっていったという。濃度を薄めた塗料を使用したりして。なるほど。


ちなみに、ジャクソン・ポロックふうのCGが簡単に描けるこんなサイトがある。
http://www.jacksonpollock.org/
マウスを動かすとポタポタとペンキが落ちる。クリックで色が変わる。ただそれだけだけど、なんか面白い。