『サムライとヤクザ 「男」の来た道』

サムライとヤクザ―「男」の来た道 (ちくま新書)
昨夜の島田紳助の引退会見と呼応するわけではないが、偶然にもこのタイミングでこういう本を読んでいた。
戦国時代のバサラやかぶき者に端を発する“武威”。それを本来担うべき階級の武士たちであるが、徳川時代の官僚化により、火消しや駕籠かきなどの荒くれ者の町民に“武威”を「アウトソーシング」した…という見立てが面白かった。
この観点でいくと、現代のヤクザはまさにこれらアウトローの末裔で、やはり公権力が揮えない“武威”(自衛隊を「暴力装置」と言った御仁もおられたが)のアウトソーシング先として、日本社会にちゃんと存在価値があるともいえる。
今回の紳助氏の話だって、ようは「のっぴきならない事態の解決をヤクザにアウトソーシングした」という話に聞こえた。