『「超」整理法―情報検索と発想の新システム』

「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)
ブックオフで105円で購入。何をいまさら、という話もあるが、一応読んでおきたくなって。読んだら捨てるつもり(情報整理の基本)。


私は現在、いわゆる「山根式袋ファイルシステム」を職場のデスク周りで活用している。考案者の山根一眞氏が某ポッドキャストでその整理術について話しているのを聞いて、なかなか良さそうだと思ったのが真似をするきっかけだった。
これは、再利用でも何でもいいから角2の封筒(A4サイズの紙がすっぽり入るもの)の上部2,3センチを切り取り(これにより中身の出し入れが容易になる)、そこに目的ごとにひとまとめとしたドキュメント(書類、レシート、請求書、写真、切り抜き、その他何でも)を放り込み、中身が分かるようにタイトルをつけ、ここがミソなのだがそれらの書類を機械的にタイトルの50音順に並べてしまう、というものだ。
この「山根式袋ファイル」は、タイトルの付け方を誤ると後日の検索が困難になるという問題点もあるのだが、「角2の封筒に入れてしまう」というのが思った以上に便利で、しかもうちの職場にはあちこちから郵便物を入れて届けられる角2の封筒があふれているので、導入のコストがゼロに近いのが非常に助かる。


ベストセラーとなった野口悠紀雄氏の「超」整理法は、角2の封筒を利用してドキュメントを整理する点は山根式と全く同じなのだが、ご存知のとおりそれを「時間軸に従って並べる」というのが最大のミソ。これにより、頻繁に手にする封筒(=資料)は常に手前に並び、反対にあまり参照されない封筒は奥に沈殿していくのだ。
従って「山根式」が抱える「ネーミング問題」すら超越し、とにかく最後に手に取ったのがいつ頃かさえ思い出せれば検索が可能となる。まさに画期的な発想の転換で、本書発行当時に私の周りでもちょっとしたブームになっていたのを思い出す。


山根式にせよ超整理法にせよ、最大のポイントは「全てのドキュメントを同じ大きさの封筒に入れて立てて並べる」というところだと思う。平積みにしているとどこに行ったかわからなくなってしまうのを、立てて並べることで回避できるのだ。その先の並べ方は、50音順にするか時間軸にするかカテゴリ別にするか優先順にするか、個人の好みと仕事の内容で選べばいいと思う。


それにしてもこれだけ整理法の達人と目されている野口氏が、「本と写真だけはどうやっても整理できない」と漏らしていたのには大いに共感した。