グレン・グールド

http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200805/tuesday.html
4回シリーズの今夜が最終回。見よう。


…で、見た。グレン・グールドというと、これまで「コンサートを拒否してひたすらレコーディングで作品を発表し続けた天才&奇人」というイメージだった。今回のシリーズを通してみて、その奇人の背景にあるものが、若干理解できたような気がする。
彼はきっと、ものすごく数学的というか理論的に音楽を愛し演奏していたのだと思う。そこが、彼が敬愛してやまなかったバッハの構造的な音楽としっくり来たのだろう。
マニアックなまでの「完璧な演奏」への追求は、同じ曲の演奏を何テイクも撮りためて、納得がいく部分を継ぎはぎして一枚のレコードにしていたという、およそクラシック奏者とは思えないレコード製作方法に、顕著に現れている。
そこまでして彼が追い求めたのは、きっと自分がいなくなった後もずっとこの世に残る音楽、その不滅性だったのではないか。