日本で一番人のいない県

実は私自身も、年明けには鳥取を出て行く予定なのだが…。

 都道府県で人口が最も少ない鳥取県は24日、29年ぶりに人口が60万人を割ったと発表した。自然減に加え、小泉内閣で02年に首都圏や近畿圏の工場立地の制限が撤廃されたことなどで県内の事業所が減り、転入者が激減したのが理由という。
 10月1日現在の県推計人口は、前月から205人減り、59万9830人。60万人を下回るのは78年以来。平井伸治知事は「国策として産業再配置など積極的な取り組みを要望したい」と話した。
http://www.asahi.com/politics/update/1024/OSK200710240049.html

私がいま住んでいる鳥取県は、長らく「日本で一番人口の少ない県」の座にあるわけだが、ここにきて(県民的には)大台の60万人をついに割ってしまったという。ちなみに日本で2番目に人口が少ないのはお隣の島根県。山陰の地盤沈下ぶりが人口統計だけでもうかがいしれるだろう。
都会への転出が止まらない一方で、「田舎暮らし」にあこがれる層の転入が思ったように伸びていない。田舎は水も空気もきれいで食べ物も美味しいのだが、いかんせん仕事が無さすぎる。ある程度の収入が見込める働き口がなければ、引っ越してくる人もいないだろう。
アメリカなんかでは、田舎に行っても「休暇で1週間ほど滞在してこの土地を気に入ったから、数年前にN.Y.から引っ越してきたよ」なんて人がゴロゴロいる。日本人の感覚では「仕事はどうしたんだろう?」と気になるところだが、この労働力の流動性の高さが、アメリカの強みの一つなのだろう。
鳥取へ旅行でやって来て「気に入ったから東京から引っ越してきた」なんて人はゼロに等しいと思うが、魅力ある土地作りのためには、何よりも働く場所の確保が必要だと思う。


これは何も鳥取だけの話ではなく、もっと視野を広げて考えれば、数年後の日本の姿を暗示しているのかもしれない。伸びゆくアジア諸国のなかで、ひっそりと人口1億人を割り込む斜陽の日本…。