『愛…しりそめし頃に…―満賀道雄の青春』

愛…しりそめし頃に…―満賀道雄の青春 (1) (Big comics special)
尻切れトンボで終わってしまった『まんが道』の続編にあたるマンガ。とりあえず2巻まで購入。
ショックだったのは、才野茂藤子・F・不二雄)と満賀道雄藤子不二雄A氏)が、トキワ荘の別々の部屋に住んでいたことと、才野が満賀を「おたく」と呼んでいたこと。「おたく」という呼称自体は別になんてことないが、『まんが道』のときには「お前」とか「満賀」とか呼んでいたのに…。疎遠になったというわけではないが、それぞれ別の道を歩みだした二人。なんとなく寂しかったなあ。
面白かったのは、満賀がキャバレーにハマりかけるエピソード。お店のナンバーワンの女性に色目を使われて、すっかりのぼせる満賀。才野と折半してる原稿料を、もらった瞬間にキャバレーで使おうとするのだ(結局断念しているが)。


2巻のラストには、我孫子氏が藤本氏を追悼した特別編を所蔵。寝起きにベッドで訃報を聞いたA氏が、パジャマ姿でトレードマークのサングラスをかけているのが、マンガ的だなあと思った。
我孫子氏が藤本氏にささげた別れの詩に、「さようなら きみのぼく さようなら ぼくのきみ さようなら さようなら」とあったのが、切なかった。