『プラトニック・セックス』

PLATONIC SEX (小学館文庫)
言わずと知れた飯島愛さんの自伝(的)小説。これもブクオフの100円コーナーで発掘。21日の日記に書いた代々木忠監督の『プラトニック・アニマル』とセットで購入。
いっとき流行していて、確か流行語大賞とかにもノミネートされていたはず。実は映画は見に行ったのだが、小説のほうは読んでいなかったのだ。
自伝なのか虚構なのか、その辺があやふやに思えるのは、文体のせいだろうか。前半は割とシリアスで三文小説調(失礼)なのだが、後半はかなり明け透けな言説。

実はビデオの中で、私はセックス(本番)をしていない。いわゆる擬似ってヤツ。「本番やるくらいならやめます」と事務所にいったところ、それがあっさり通ったのだ。
(中略)
もちろん、本気で撮影している女優さんもいる。私にはない職業意識だ。ある意味、尊敬する。
もっと深くエロスを探求している人たちもいた。本気でオーガズムを感じて自我を解放する、ある有名監督のビデオには興味があった。
が、出演はしたくない。

…これは代々木監督のことだろう。
何がどう「プラトニック・セックス」なのか、ちっとも文中には出てこない。きっと、「プラトニック・ラブ」という表現に対するちょっとしたアンチテーゼ的な意味合いと、あとは多分、「プラトニック・アニマル」にちなんで付けられたタイトルなのだろう。