『つげ義春とぼく』

つげ義春・著。新潮文庫ISBN:4101328110
知人から借りて読んだ。旅行記だの夢日記だの、自分の私的なことを書いたエッセイ集なのにこんなタイトルをつけるなんて、そこはかとないユーモアを醸し出していて面白い。
内容については、冒頭の旅行記(寂れた温泉や田舎の町を行く)が面白かった。真ん中の約3分の1は夢日記なのだが、つげさんはひどく性的な夢ばかりを見ている。それもほとんどが、奥さんとか別れた女が他人に犯されてたりする夢なのだ。その影響か、私も昨晩は別れた彼女が営業先でセクハラを受けている夢を見た(笑)。
一般に夢の話というのは、本人にとっては興味深くても、他人にとっては退屈なもの。だからこの本もちょっと退屈なのだが、その夢の情景を描いたつげさんの絵で救われている気がした。