『キッチン・コンフィデンシャル』

アンソニー・ボーデイン:著(ISBN:4105411012
作者はニューヨークの現役シェフ。ドラッグまみれの青春時代を過ごしたものの、どん底から這い上がりいっぱしのシェフになるまでの自伝を、多少味付けした物語。ほとんどノンフィクションらしいです。
アメリカのレストラン業界の裏側を痛快に描いた問題作、ということで、厨房の中はもちろん、フロアやオーナーについてもあれこれ言及(告発)されており、お話としては面白かったです。たぶん最も物議をかもしたのは、NYで魚料理を食べてはいけない曜日について触れたくだりでしょう。ようは残り物を出される可能性の高い曜日なのですが。
ただちょっと鼻についたのが、主人公がワルぶってるところ。そりゃ確かに品行方性ってわけではないんだけど、別にそんなの驚かないよ。大昔の格式ばったフランス料理が支配していたころの料理界ならさておき。