『江分利満氏の優雅な生活』

通勤の電車の中で、山口瞳さんの『江分利満氏の優雅な生活』を読み終えた。基本的に山口さん(ファンです)自身の経験をもとに書いていると思われる、あるサラリーマンの日常生活をつらつらと書き綴った、なんていうのでしょうコレ、まあエッセイかな? 小説ってわけでもなく、いろんなテーマごとにモゴモゴ言ってる、でもその裏に隠されたユーモア、みたいな。もはや時代が違いすぎるので、自分をそこに重ねたりはちょっとできないですけど。
悲しさに裏打ちされたおかしさってゆーのがユーモアだと思うのですが。そういう意味で山口瞳(男です、念のため)さんってほんとの意味でユーモアのある人だなあ、って思います。本作でもチラッと触れられてる自らの出生の秘密とか、親の借金の話とか。そういうのをサラッと触れられるところがシミます。だから好きです。「居酒屋兆治」とか泣けます。映画もE。