「その男ヴァン・ダム」

その男 ヴァン・ダム [DVD]
空手のチャンピオンにして(かつての)アクションスター、ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の、セルフパロディ映画。
主人公はヴァン・ダム自身、離婚訴訟中の落ち目の映画俳優という設定なのだが、ひょんなことから銀行強盗に巻き込まれ、あまつさえヴァン・ダムが犯人に間違えられてしまう。
ヴァン・ダムはこの映画の撮影のために、やはり往年のアクションスターによるセルフパロディともいえる「エクスペンダブルズ」への出演を断ったというが、そこまでしてこだわったものは何だったのか?
途中唐突に挿入される、ヴァン・ダムによるカメラ目線の「俺が悪かったというのか?」的な独白は圧巻。まさに大衆の娯楽として消費されたもの(expendables)の、怒りと矜持。ヴァン・ダムがこだわったものはこれだったのか。フィクションとノンフィクション、現在と過去のあわいを行き来する監督の手法もなかなかだった。
事前に聞いていたほどB級映画ではないと思った。