如庵

犬山城に隣接する名鉄犬山ホテル内の庭園に、織田有楽斎(信長の弟)が作った茶室「如庵」があるというので拝見してきた。もともとは京都の建仁寺に作られた茶室だが、明治の財界茶人のもとを回りまわってこの地に落ち着いているもの。


有楽斎は信長の弟でありながら、関が原の合戦や大阪冬・夏の陣を越えて江戸の黎明期まで生を全うし*1、茶人として余生を過ごした興味深い人物である。
必要最低限で簡潔ながらも狭くは感じさせない茶室。この閉じられた空間で茶を点てつつ、有楽斎が思いを馳せたのは何だったのだろうか。
ちなみに「如庵(じょあん)」というのは、有楽斎のクリスチャン・ネーム「ジョアン」にちなんだものだという。

*1:晩年徳川家康から江戸にも屋敷を拝領し、その跡が現在の「有楽町」にあたる。