『知多半島殺人事件』

知多半島殺人事件 (ジョイ・ノベルス)
そういえば愛知へ引っ越してきてから、例の「西村京太郎作品でその土地を勉強する」というのをやっていなかった。
図書館へ行って西村京太郎のコーナーをつぶさに見てみたのだが、これがほとんど愛知を舞台にした作品が見つからない。氏にとって名古屋は、単なる東海道線(新幹線含む)の通過点扱いなのかな…? リニア中央新幹線の東京ー名古屋間が2027年に先行開通したら、ちゃんと舞台にした作品を書いてもらえるかな? 40分で着いちゃうらしいけど。
で、ようやく見つけた『知多半島殺人事件』だったのだが、これが全然知多半島が出てこない。刑事のフィアンセの実家が常滑セントレアがある市)にある…というのが、かろうじて知多半島と関係がある部分。作品の冒頭で爆破事件が起きる長島は、知多半島でもないし三重県だし。というかそもそも、鉄道もほとんど出てきてない。
それ以上に驚いたのが、なかなか馬脚をあらわさない犯人にあせる十津川警部と亀井刑事が、容疑者宅に乗り込んで脅しのために天井へ拳銃をぶっ放したり、ライターで家に火をつけようとしたりするトンデモ展開。「犯人が市民をあと何人殺すか、一人一万円で賭けてるんだよ。私はせいぜいあと二人だと思ってる」「犯人を見たら即射殺するつもりだよ」とかいう台詞、これ本当に警察官がやったら間違いなく訴えられるでしょう…。