「続・少林寺三十六房」

続・少林寺三十六房 [DVD]
いつ録画したか分からないくらい前に録ったビデオを見た。
「続」というタイトルにはなっているものの、「少林寺三十六房*1とは全くテイストの違う作品になっている。あちらは割とシリアスだったのに対し、本作はコメディタッチ。
清朝打倒」を標榜し少林寺で修行する…というのが前作のあらすじだったが、今回は染物屋のトップに居座って漢民族から労働搾取する満州民族への復讐…とややスケールダウン。武力行使による労働争議か。
主人公の少林寺での修行についても、本作では実際には入門を許されておらず、寺の改修工事のための足場を組むよう命じられ、それが結果的にカンフーをマスターする修行となっていた…的な、「門前の小僧」パターン。


こうして編み出した技、その名も「搭棚カンフー」。

搭棚というのは、ここで主人公が組んでいるような竹をつなげて作る工事用足場のことで(中国では現在でも普通に利用されている)、実は本作の中国語原題も「少林搭棚大師」なのだ。
ということで、「三十六房」と比べるとアレなところもあるのだが、続編として捉えず本作を単独で見れば、竹を使ってあっという間に敵を縛り上げたりうちのめしたりする「搭棚カンフー」の斬新さ、最後の敵が使う椅子型の武器(?)の奇抜さなどを含め、かなり見所の多い映画だった。
ちなみに最後の戦いの舞台では、背景に大仏の姿が写りこんでいる。どうやらここは寺院の建設現場らしい。全体にいい加減に撮っているようでいて、その辺できちんと少林寺や仏教への目配せが感じられるのも、ちょっとした見所。

*1:少林寺三十六房」については2007年10月27日の日記で書いています。