「昇龍道」

皆さんは「昇龍(竜)道」という単語をご存知だろうか?

中部運輸局北陸信越運輸局及び中部広域観光推進協議会は、中部北陸9県の自治体、観光関係団体、観光事業者等と協働して中部北陸圏の知名度向上を図り、主に中華圏からインバウンドを推進するため、「昇龍道プロジェクト」を立ち上げました。
昇龍道プロジェクト【中部運輸局】

ということで「昇竜道」というのは、ようは官主導で制定された、日本列島を真ん中で縦断して東海・中部・北陸を結ぶ観光ルートのことなのだが、はっきり言って関係する官公庁以外での認知度はほとんどゼロに近いのではないだろうか? 私は愛知のことをいろいろ勉強している中でたまたまこの言葉に出会ったのだが…。


だいたい、太平洋側と日本海側を一緒くたに「中部北陸9県」というくくりからして乱暴だと思うのだが、工業県である愛知から大陸への輸出最短距離として、なんと東海から北陸を結ぶ運河を掘ろうという壮大な計画がかつて真剣に検討されていたというのだから…。

日本横断運河(にほんおうだんうんが)は、1960年代に日本で計画された運河である。中部横断運河とも呼ばれた。
揖斐川と琵琶湖を利用して伊勢湾と敦賀湾とを運河で結び、1万トン級以上の大きさの船舶を通そうという計画であった。
計画当初は中京地域を中心に議論が進められ、中部運河の仮称で呼ばれていた。
日本横断運河 - Wikipedia

そういう意味で東海北陸道の開通は、とくに中部の太平洋側にとって悲願だったらしい。


私がかつて新潟に住んだときにも、やはりいろいろ地元のことを調べたりしたのだが、その中で田中角栄が「関越トンネルのあたりの山を爆破すれば新潟の雪が減る」と言っていたのを知った。

田中角栄が選挙民向けに行った演説として、「三国峠をダイナマイトで吹っ飛ばすのであります。そうしますと、日本海の季節風は太平洋側に吹き抜けて越後に雪は降らなくなる。出てきた土砂は日本海に運んでいって埋め立てに使えば、佐渡とは陸続きになるのであります」というものがある。
三国峠 (群馬県・新潟県) - Wikipedia


かつて日本の背骨に風穴を開けようとした人が何人もいたということを、新潟と愛知に住んで初めて知った。日本は狭い島国だけど、やっぱりその土地その土地に住んでみないと理解できない情念みたいなものは確実にあると思う。

マジック・ナイト

仕事上のお付き合いのある某業界の方々と会食。人数が入る個室があるからと選んだお店だったのに、肝心の個室がぎゅうぎゅうで、いい年をした大人たちがカラオケボックスに詰め込まれたような状態だったのだが、かえって距離感が狭まってよかったのかもしれない。


有志で行った2軒目は、相手方の行きつけのマジックバー。連れて行ってくれた方自身も好事家(ディレッタント)としてマジックをたしなんでおり、怪しくもなかなかの腕前のカードマジックを披露してくれた。
しかしやはりプロにはかなわない。
お店で働いているマジシャンたちが次々にテーブルに回ってきて、正面だけでなくあらゆる角度からの衆人環視のなか、見事な奇術を繰り広げた。
そうこうするうちにお店に入ってきた男性、よく見るとこれが某有名マジシャン。ふらりと現れて、テレビでは滅多に見せてくれない真剣な表情で、さすがのカードマジックを演じてくれた。ノーギャラで(本当はチップをあげようと思ったのだが、いくらあげたら失礼に当たらないのかわからなくて、結局何も出さず…)。

『潮騒』の舞台の島

伊勢湾の入り口にある小さな島「神島」は、三島由紀夫の『潮騒』の舞台である「歌島」のモデルとなった島として有名。鳥羽の方からフェリーで渡れるのだが、三島ファンとしてはぜひ一度訪れたい土地である。


昨日の朝日新聞の夕刊で、その神島が『潮騒』発表から60周年を迎えて観光客呼び込みに力を入れている、という記事を読んだ。

来てよ時代を飛び越えて 「潮騒」60年、神島はいま
小説「潮騒」を作家の三島由紀夫(1925〜70)が著し、今月で60年。その舞台となり、5度にわたる映画化でロケ地にもなった伊勢湾口の離島、神島(三重県鳥羽市)には、三島や映画の「記憶」が色濃く残る。名場面のロケ地を訪れる観光客も絶えない。
■小説も映画も「島の誇り」
 三島は小説の取材で神島を53年の春と夏に訪れ、漁協の組合長宅に1カ月ほど滞在。この家に嫁いだばかりだった寺田こまつさん(81)は当時を知る数少ない一人だ。「作家の先生だなんて全然知らなかった」
 気さくな三島の姿を思い出す。「旅館より民家に」と泊まり込んだ。こまつさんが2階に食事を運ぶと「僕は客じゃないから」と1階に下り、一家と食卓を囲んだ。昼間は島内を歩き回り、タコつぼ漁にも同行。島の人たちが話す方言を丁寧にメモした。
 小説では主人公の漁師新治が沖縄で台風に遭い、港に飛び込んで船と浮標をロープでつなぐ場面がある。こまつさんの夫で、航海士だった和弥さん(故人)の実体験とされる。「主人が先生とお酒を飲んだ時にでも話したんでしょう」
 三島は前年にギリシャを旅し、エーゲ海の島を舞台にした古典散文を下敷きにした作品の執筆を思い立ち、似たイメージの島を探した。神島に滞在中、「第二のふるさと」と話し、神社への階段や灯台から見る海の景色を挙げ、「島はすばらしい眺めばかりだ」としきりにほめたという。
 「潮騒」はベストセラーになり、刊行と同じ54年から85年にかけ映画化は5回を数える。いずれも神島でロケがあり、エキストラで出演した島民も多い。
 吉永小百合さんが新治の恋人初江を演じた64年の第2作。寺田信吉さん(70)は荒れた海に飛び込む新治の代役を務めた。「2回ほど撮り直して雨の中でたき火にあたっていたら、吉永さんが傘を差してくれた」
 吉永さんは昨年、49年ぶりに神島を訪問。映画の名場面に使われた施設の耐震工事や文学碑などの完成を機に島民の間で高まった願いが伝わった。再会した寺田さんが代役の思い出を話すと「寒かったでしょう。貴重なお力をいただきました」と笑顔が返った。
 第1作に出た天野静子さん(79)は、ロケの合間に撮られた俳優たちの写真や自分たちエキストラの記念写真を大切に持つ。「島の誇りですよ。潮騒は」


『潮騒』は、漁村の若い男女が純真さを保ちながら愛を成就する話なのだが、嵐に見舞われた2人が焚き火の前で裸になり暖を取るクライマックスで書かれる「その火を飛び越してこい」という言葉は、例の「潮騒のメモリー」に引用されている。この主人公2人が裸で抱き合った場所も、神島に現存しているという。
上記の記事にもあるように、『潮騒』はこれまで実に5回も映画化されているそうだが(吉永小百合版と山口百恵版は見た)、最後の堀ちえみ鶴見辰吾版は85年公開。それからでも30年が経っているし、そもそも原作発表から今年で60周年、今時の若い人はこの小説の存在すら知らないのではないだろうか。


ちなみに『潮騒』は、私の心の三島由紀夫ランキングで、トップ5に入るくらい好きな作品。他は『永すぎた春』『三島由紀夫レター教室』『美しい星』、あとやっぱり断筆となった『豊穣の海』四部作かな。

潮騒 (新潮文庫)

潮騒 (新潮文庫)

『知多半島殺人事件』

知多半島殺人事件 (ジョイ・ノベルス)
そういえば愛知へ引っ越してきてから、例の「西村京太郎作品でその土地を勉強する」というのをやっていなかった。
図書館へ行って西村京太郎のコーナーをつぶさに見てみたのだが、これがほとんど愛知を舞台にした作品が見つからない。氏にとって名古屋は、単なる東海道線(新幹線含む)の通過点扱いなのかな…? リニア中央新幹線の東京ー名古屋間が2027年に先行開通したら、ちゃんと舞台にした作品を書いてもらえるかな? 40分で着いちゃうらしいけど。
で、ようやく見つけた『知多半島殺人事件』だったのだが、これが全然知多半島が出てこない。刑事のフィアンセの実家が常滑セントレアがある市)にある…というのが、かろうじて知多半島と関係がある部分。作品の冒頭で爆破事件が起きる長島は、知多半島でもないし三重県だし。というかそもそも、鉄道もほとんど出てきてない。
それ以上に驚いたのが、なかなか馬脚をあらわさない犯人にあせる十津川警部と亀井刑事が、容疑者宅に乗り込んで脅しのために天井へ拳銃をぶっ放したり、ライターで家に火をつけようとしたりするトンデモ展開。「犯人が市民をあと何人殺すか、一人一万円で賭けてるんだよ。私はせいぜいあと二人だと思ってる」「犯人を見たら即射殺するつもりだよ」とかいう台詞、これ本当に警察官がやったら間違いなく訴えられるでしょう…。

筆入れの中身

普段持ち歩いている筆入れの中身を写してみた。

左上から順に…

  • 筆入れ:昨年ドイツのバーデンバーデンの文房具店で買ってきたもの。ブランド名不明。
  • のり:キャンパスドットライナーフィッツ
  • 消しゴム:どこかで拾った一かけ
  • クリップ類:数個
  • カッター:ミドリのCLミニカッター
  • ふせん紙:数束(輪ゴムで束ねている)
  • 替え芯:ファーバーカステルのシャーペン替え芯0.7mm(硬度はB)
  • スタイラスペン:伸縮するものを100円ショップで買ったけどほとんど使ってない
  • 万年筆:ドイツのオンライン社製(ペン先はF)インクコンバーターを使用
  • ペン:スタイルフィットマイスター(5色)に黒・赤・青の油性インク(0.5mm)、薄青・緑の水性インク(0.38mm)
  • 替え芯:スタイルフィットの替え芯(黒・赤・青)
  • 油性ペン:マッキー極細(黒)
  • 蛍光マーカー:セブンイレブンで買ったもの(緑)
  • 筆ペン:セイラー携帯ふでペン慶弔用中字
  • シャープペンシルファーバーカステル社製(0.7mm)
  • ペン:フリクションボール3(黒・赤・青)ペン先はスマートチップタッチペン

この中で最もよく使っているのはスタイルフィット。手帳に予定を書き込むときはフリクション。カッターとのりは出先で切抜きをするときに使っている。
クリップ、ふせん紙、スタイラスペンはこれを機に持ち歩くのをやめようと思っている。とくに、iPad miniをいじるときに便利かなと思って買ったスタイラスは、フリクションのペン先にタッチペンのアタッチメントをつけたのでもう使わないだろうし。

すわ、インプラント?!

2,3週間前から、長男の耳かきをしているときに片方の耳の奥が妙に白くて気になってた。ふたができたみたいで、内耳が炎症でも起こしているのかと思い、念のため耳鼻科に連れて行った。
しばらく耳の奥を見ていた先生がこちらを振り返って、「なんか入ってますね」と言ってニヤリ。極細のピンセットや、細くしなる棒などを駆使して引っ張りだしてもらったら、BB弾様のものが出てきた。
長男に「何これ?」と聞いてみても、「知らない」「記憶にない」とのこと。まあひとまず無事に取れてよかったけど。
家に帰ってから娘に形状を伝えたら(現物は耳鼻科に置いてきた)、「それ、たぶんジバニャンのフィギュアの手だよ」だって…。