片岡義男のこと

文具好きの私にとって、片岡義男さんは以前から気になる存在ではあった。氏のガジェットへのこだわりようと、欧米の文具への造詣の深さは、たびたび著作に片鱗がのぞくところで、こういうと僭越ながら「趣味が合うな」と思っていた。

 

その辺が入口となって、氏の小説も何篇か読むに至ったのだが、これはこれで興味深いというか…。うっすらと感じてはいたが、巨大な金脈を掘り当てた印象だ。

何がよいといって、日常のなかの微細な描写の積み重ねによって、フィクションなのかドキュメンタリーなのか境界線があやしい作品世界がつづられ、で、結局「何もない」まま終わるところなのだ。

 

「何もない」のは、そこから新たな何かがはじまるからなのか、ドラマが無いのが現実世界だよということなのか。

ニヒリズムではなく、温かみのある虚無がそこにはあって(虚無があるというのも反語的だが)、そこがとても気に入っている。

東京へ来た

2年前に本州を離れたときは花粉症がひどかったのだが、3月頭に東京へ越してきて、いまのところまだそんなに症状が出ていない。

北海道は花粉がほぼゼロの土地だったので、2年間でデトックスされたということだろうか?

まあいずれまた、飽和してグジュグジュになるのかもしれないが。

東京へ

前のエントリを書いてから、旧はてなダイアリのほうで引き続き更新していたので、こちらの記事が2014年でストップしてしまっていた。追加でインポートするやり方がよくわからないのだが、順次強制移転してくれるのだろうか?

さてその5年間のあいだに、名古屋から札幌へ引っ越し、さらにこの3月から東京へ引っ越す予定。

生々流転です。

謎の桃太郎神社

普通「桃太郎伝説」といえば岡山と結び付けられるのだが、木曽川沿いにも「桃太郎伝説発祥の地」とする伝承があるらしい。川沿いに桃の木が多くあり、桃太郎の話に出てくるキーワードが周辺の地名(大桃、犬山、犬石、猿洞、猿渡、猿噛城祉、堆ケ棚、推ケ峰、鬼ケ島、宝積地など)に見られることが根拠となっているようだ。
これにちなんで、犬山市にはその名もずばり「桃太郎神社」というのがある。何の気なしに訪れてみたら、これが珍妙なコンクリート像が立ち並ぶ奇怪な神社だった…。
 

世にも珍しい「桃の鳥居」。

他にも境内には秘宝館のようなものがあったりして、なかなかに数寄心をそそる神社だった。

桃太郎神社
http://www.yha.gr.jp/momotaro/shrine.html

如庵

犬山城に隣接する名鉄犬山ホテル内の庭園に、織田有楽斎(信長の弟)が作った茶室「如庵」があるというので拝見してきた。もともとは京都の建仁寺に作られた茶室だが、明治の財界茶人のもとを回りまわってこの地に落ち着いているもの。


有楽斎は信長の弟でありながら、関が原の合戦や大阪冬・夏の陣を越えて江戸の黎明期まで生を全うし*1、茶人として余生を過ごした興味深い人物である。
必要最低限で簡潔ながらも狭くは感じさせない茶室。この閉じられた空間で茶を点てつつ、有楽斎が思いを馳せたのは何だったのだろうか。
ちなみに「如庵(じょあん)」というのは、有楽斎のクリスチャン・ネーム「ジョアン」にちなんだものだという。

*1:晩年徳川家康から江戸にも屋敷を拝領し、その跡が現在の「有楽町」にあたる。